宅地建物取引士(宅建士)になるためには、試験合格だけでは不十分で、合格⇒登録⇒資格証の交付の3ステップをクリアしなくてはなりません。
以前このサイトでは、登録やその欠格要件について詳しく解説しましたが、今回は宅建士になるための最終ステップである資格証(宅建士証)の交付について詳しくご紹介していこうと思います。
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まずはおさらい!宅地建物取引士証制度とは?
繰り返しになるのですが、宅建士になるためには宅建士証の交付を受ける必要があり、この交付を受けるためにはその前段階としてと都道府県知事による登録、この登録を受けるために宅建士試験の合格が必要になるという仕組みになっています。
宅地建物取引士 宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう。
したがって、試験に合格しただけの者、登録をしただけの者は宅建士ではありません。
宅建士証制度の目的
宅建士証制度は、知事が交付する宅建士証の携帯・提示を義務付けることによって名義貸しを防止し、重要事項説明の責任者を明らかにし、宅建業法の目的を十分に機能せさせることが目的であると考えられています。
宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
宅地建物取引士は、重要事項説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
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宅建士証の提示において住所は隠してもOK!
宅建士証には個人の住所が記載されているため、個人情報保護の観点から宅建士の住所欄にシールを貼ったうえで提示してもよいことになっています。
ただし、このシールは簡単にはがすことができるようなものを利用し、宅建士証を傷つけたり汚したりしないようにしなければなりません。
宅建士証の交付には法定講習の受講が必要!?
宅建士証の交付を受けるためには、交付の申請前6か月以内に行われる講習を受講しなければなりません。
宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が国土交通省令の定めるところにより指定する講習で交付の申請前6月以内に行われるものを受講しなければならない。
講習の免除
試験に合格してから1年以内に宅建士証の交付を受ける場合は、講習の受講は免除されます。
ただし、試験に合格した日から1年以内に宅地建物取引士証の交付を受けようとする者については、この限りでない。
宅建士証の有効期間は5年!
宅建士証には有効期間があり、その期間は5年となっています。したがって5年ごとに更新をする必要があるということです。
宅地建物取引士証の有効期間は、5年とする。
宅地建物取引士証の有効期間は、申請により更新する。
宅建士証の更新には講習受講が必須!
宅建士証を更新する際には、前述の法定講習を受けなければなりません。つまり、宅建士であり続けるためには5年ごとに講習を受けて更新をしていく必要があるということです。
ちなみに更新の講習は免除されることはなく、更新を希望するすべての者が受講しなければなりません。
なぜ講習が義務付けられているのか?
宅地建物の取引に関する法律や税制度は複雑で、社会の経済状況に伴って変更されていくので、売買等の成立の際に重要な役割を担う宅建士について、その知識を補充して向上を図ることにより契約関係の適正と取引の公平を確保する必要があるためです。
宅建士証が失効してしまったらどうなる?
更新をうっかり忘れていたりして、万が一宅建士証が失効してしまった場合はどうなるのでしょうか?
この場合、試験に合格したことと、知事の登録を受けている状態は変わりません。したがって、更新の講習を受けて改めて宅建士証の交付を受けることで宅建士に復帰することができます。
失効中は宅建士ではないことに注意!
宅建士証が失効している間は宅建士として業務を行うことができません。失効していることに気づかずに重要事項説明などをしてしまわないように、有効期間を忘れないよにして講習を受けるタイミングをよく考えておかなければなりません。
まとめ
いかがでしょうか?宅建士証の交付について理解していただけたでしょうか?
実務経験がなく、かつ試験合格後すぐに宅建士証の交付を受けないという方は、登録のために講習を受け、さらに交付のためにも講習を受けることになります。
宅建士を目指す方は、試験~交付までの流れをよく理解していただき、計画的に試験を受けるタイミングなどを考慮していただくと時間や費用を節約できるのではないかと思います。
参考にしてみてください。