宅建業の手続きでは、頻繁に「役員」や「政令で定める使用人」の氏名などを記入する場面があるのですが、あなたは宅建業法においてこれらのが何を意味する役職なのかをきちんと理解しているでしょうか?
「役員」は取締役のことでしょ?と思われたなら、決して間違いではないのですが100点満点とはいえません。「政令で定める使用人」については「???」という方がほとんどではないでしょうか。
そこで今回は、宅建業者の「役員」、「政令で定める使用人」は誰(どんな役職)のことを表しているのかを宅建業法から読み解いていきたいと思います。
宅建業法の「役員」
宅建業法における「役員」は、取締役だけに限定されておらず、その法人においてその業務の執行、業務の監査等の権限を有する者をいい、その具体的は範囲は法令、定款、寄付行為により定まるとされていて、法律の中に列挙されているわけではありません。
ここから解釈すると、宅建業法の役員には次のような役職が含まれると考えられます。
取締役、監査役、会計参与、執行役、業務執行社員、理事、監事 など
なお、常勤か非常勤かは問われません。
宅建業法の「政令で定める使用人」
文字通り、政令で定める使用人は、政令である「宅地建物取引業法施行令」にその定義が定められています。
政令で定める使用人は、宅地建物取引業者の使用人で、宅地建物取引業に関し第1条の2に規定する事務所の代表者であるものとする。
政令で定める使用人は、「宅建業に関して代表者たることを要する。」とされていて、例えば、ある事務所において宅建業ではない業務を兼業している場合に、その兼業のみについてその事務所を代表する者は政令で定める使用人に該当しないと考えられています。
事務所の代表者
「事務所の代表者」とは、その事務所で行われる行為について責任者としてその名を外部に示し、かつ、内部的にはその事務所における業務を統括する立場にある者とされています。
例えば、支店長、支配人がこれにあたります。
宅建業免許を受けようとする場合、事務所の設置が必須になります。ここで言う事務所とは、一般的な事務スペースのことではなく、宅建業法で定められた「事務所」のことになります。 宅建業において事務所とは、免許権者(申請先)を決め …
個人事業主の場合はどうなる?
個人事業として宅建業を営んでいる場合におていも考え方は法人と同様で、事務所の代表者として支店長や支配人を配置している場合はその者が政令で定める使用人に該当することになります。
まとめ
いかがででしょうか?「役員」の範囲、「政令で定める使用人」の意味がお分かりいただけたでしょうか?
あらためて「役員」とは、業務の執行、監督に権限をもっている者で、
・取締役
・監査役
・執行役
・会計参与
・業務執行社員
・理事、監事 など
これらの役職が該当し、一方で「政令で定める使用人」とは、事務所の代表者であって、
・支店長
・支配人
といった者が該当します。
参考にしてみてください。