宅建業者は、取引の相手方(売主、貸主を除く)に対して、事前に一定の重要な事項について宅建士に説明させなければならないことになっています。
これを重要事項説明といいますが、この重要事項説明の内容には、宅建業法に定められた必ず説明しなければならない法定の説明事項があります。
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
ここでは、法定の説明事項のうちの「私道の負担に関する事項」について詳しく解説していきます。
このページでは、宅建業者の重要事項説明のうち、特に宅建業法に明示されている16の項目(法定重説事項)をリストアップしています。 個別の項目に関する詳細については、順次、個別に解説記事をアップしていく予定です。 法定重説事 …
私道の負担に関する事項
私道の負担に関する事項については、正式には宅業業法において次のように記されています。
当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは、私道に関する負担に関する事項
売買の対象となっている土地の一部が私道となっている場合には、私道内には建築物を建築することができません。
また、私道の変更廃止は制限されており、建ぺい率も私道予定部分を除いて計算されるため、購入者は私道負担を知らないと思いがけない損害を受ける可能性があります。
したがって、宅建業者は取引にあたって前もって指導の負担の有無、私道面積、その位置などを説明することとされています。
私道には、建築基準法42条の道路となる私道以外にも、通行地役権の目的となっているようなものも含まれます。
また、私道について所有権や共有持分を持たずに、利用するための負担金を支払うことになっている場合も「私道に関する負担」に含まれます。
さらに、現在ある私道負担だけではなく、将来生じることになっている負担も「私道に関する負担」に含まれるとされています。
建築基準法42条の道路
建築基準法では、建物の敷地は道路に2メートル以上接続していなければならないという規定があります。いわゆる接道義務のことです。
この接道に必要となる道路は、度外見上道路であればどんな道でも良いということではありません。例えば、農道や林道が敷地に2メートル以上接していたとしても接道として認められません。
住宅街の市道や大通りの県道といった、建築に必要な接道として認められる道路のことを一般的に「建築基準法42条道路」と言います。
建物の賃貸契約の場合は説明不要!
建物の貸借の相手方は、敷地に関する制限や負担について直接影響を受けることがないため、平成7年の宅建業法の改正で説明事項から除外されました。