絶対にやってはいけない宅建業の無免許営業|無免許営業の定義・罰則とは?

宅建業免許に似ている営業許可の1つとして、建設業許可というのがあります。

建設業許可は、請負金額500万円(場合によって1,500万円)以上の工事を請け負う場合に必要となるのに対し、宅建業免許は報酬額に関わらず営業するすべての者が免許を受けなければなりません。

当然ながら無免許で宅建業を営業することは宅建業法によって禁止されています。では、もしも無免許で営業をしてしまったら一体どうなってしまうのでしょうか?

今回は、宅建業の無免許営業の定義、罰則について解説していきたいと思います。

まずはおさらい!そもそも「宅建業」とは?

宅建業の定義については別の記事で詳しく解説していますので、ここではシンプルに列挙します。

宅建業に該当する4つの取引行為
  • 宅地・建物の売買
  • 宅地・建物の交換
  • 宅地・建物の売買、交換または賃借(使用貸借を含む)の代理
  • 宅地・建物の売買、交換または貸借(使用貸借を含む)の媒介

この4つの取引行為を業として行う個人または法人が宅建業者ということになります。

ここからが本題!無免許営業の定義は?

宅建業法において無免許営業は、ずばり「免許を受けていない者が宅建業を営むこと。」と定義されています。

宅建業法12条1項(抜粋)

免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。

このままでは分かりずらいのでさらに噛み砕いていきましょう。

「免許を受けない者」とは?

免許を受けない者とは、次の者のことをいいます。

「免許を受けない者」に該当する者
  • 免許を申請をしていない者
  • 免許を申請したいが、いまだ免許を受けていない者
  • 免許を拒否された者
  • 免許を取り消された者
  • 有効期間の満了または廃業等の届出により免許が失効した者

これらに該当する者が、営業の損益、責任の帰属、財産の処分権等の有無から判断して自己のために宅建業を営んでいると客観的に認められる場合は、無免許営業となります。

また、免許を受けない者が他の宅建業者の名義を借りて宅建業を営んでいる場合も同様です。

免許を受けている者は無免許営業の幇助に注意!

免許を受けない者が業として行った宅地・建物の取引について、免許を受けている宅建業者が代理や媒介として関与した場合、免許を受けない者は当然に無免許営業となります。

このとき、関与した宅建業者の行為が無免許営業の幇助に該当し、処分または刑事罰の対象となる可能性があるので注意が必要です。

そんなバカな!無免許営業に監督処分が及ばない!?

免許権者である都道府県知事や国土交通大臣は、免許を受けている宅建業者に対して監督処分(指示・業務の停止・免許の取消など)を行う権限を有しているだけで、無免許営業に対してはその権限を行使することができません。

世の中そんなに甘くない!ばっちり刑事罰は存在する!

無免許営業に対して監督処分は及ばないものの、刑事罰はしっかり存在しており、3年以上の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります。

業者にはさらに厳しい罰則が・・・

法人の代表者や従業員らが無免許営業をした場合は、その行為者だけが罰せられるのではなく、法人(1億円以下の罰金)や個人業者(300万円以下の罰金)も罰則が科される可能性があります。

これを両罰規定といいます。

さらに報告徴収・立入検査を受けることもある!?

前述のとおり知事や大臣は無免許業者に対して監督処分をすることはできないものの、業務についての報告を求めたり、事務所等に立ち入って帳簿や書類などを検査することができます。

宅建業法72条1項(報告及び検査)

国土交通大臣は、宅地建物取引業を営むすべての者に対して、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その業務について必要な報告を求め、又はその職員に事務所その他その業務を行なう場所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。

「宅地建物取引業を営むすべての者」、「宅地建物取引業を営む者」には無免許業者も含まれると解釈されるためです。

不正に免許を受けた者はどうなる?

免許の不正取得は前述の刑事罰(3年以上の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方)の対象となるほか、免許取消事由にも該当することになります。

逆に言うと、たとえ不正取得した免許だとしても取り消されるまでは有効な免許となるため、免許権者が取り消してはじめて「免許を受けない者」に該当することになります。

<おまけ> 免許を受けない者による表示、広告は禁止されている!

免許を受けていない者は、宅建業を営む旨の表示をしたり、宅建業を営む目的をもって広告することは宅建業法によって禁止されています。

宅建業法12条2項(抜粋)

免許を受けない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもつて、広告をしてはならない。

具体的には、「宅地建物取引業」という文字を用いて活動したり看板を掲示すること、「不動産仲介」や「不動産あっせん」などの表示をして、一般の人に宅建業を営んでいると誤解を与えるような表示や広告は禁止されています。

罰則があることをお忘れなく!

免許を受けずに宅建業を営む表示や広告をした者は、100万円以下の罰金の対象となります。また両罰規定によって、法人の代表者や従業員が違反した場合には、その法人や個人業者に対しても100万円以下の罰金刑が科されることがあります。

まとめ

いかがでしょうか?無免許営業をするといかに大変なことになるかお分かりいただけたでしょうか?

宅建業法の中でも、無免許営業に対する罰則はとても厳しいものになっています。

例えば、免許を受けない者がちゃんと取引を成立させたとしても、依頼者に対して報酬を請求することはできません。たとえ裁判所に訴えたとしてもこれは覆りません。

なぜなら、もし報酬の請求を認めてしまうと、法律違反による利益を裁判所が認めることになってしまうからです。

なお、免許を受けている者が他人に宅建業者の名義を貸す行為(いわゆる名義貸し)についても、無免許営業と同様の罰則が設けられていることも申し添えておきます。

参考にしてみてください。