誰でも宅建業者の情報を知ることができる!?宅建業者名簿の閲覧制度について知っておこう!

あなたは、すべての宅建業者の情報をインターネットで調べることができることを知っているでしょうか?

例えば、令和6年2月現在のものですが、愛知県知事免許業者の一覧大臣免許業者の検索システムがこちらです。

ご覧いただくと分かると思いますが、インターネットからの情報では次のような項目を確認することができます。

・免許証番号
・更新の回数
・称号または名称
・代表者
・免許の期間満了年月日
・最初の免許年月日
・主たる事務所の所在地
・電話番号

これらの情報を調べるだけなら、インターネットから簡単に調べることが可能ですのでかなり便利な機能なんですが、これよりもっと詳細な情報を誰でも調べることができるのをご存じですか?

それが、宅地建物取引業者名簿の閲覧制度です。

今回は、宅建業者名簿の閲覧制度についてご紹介したいと思います。

閲覧制度で何を調べることができる?

宅建業者名簿の閲覧制度では、業者の過去の免許申請書・更新申請書・変更届出書の内容を調べることができます。具体的には次のような情報です。

閲覧で調べられること
  • 営業年数
  • 過去の営業実績(免許の更新時のものに限る。)
  • 商号、代表者、役員、事務所の所在地
  • 専任の宅地建物取引士
  • 資産状況
  • 行政処分の有無
  • 現在までの代表者・役員・取引士・名称などの変更歴 等

宅建業者は免許を受けなければ営業ができない免許制度ですので、すべての宅建業者についてこれらの情報を漏れなく閲覧することができるということになります。

プライベートな個人情報は調べることができない!

上記のとおり、閲覧制度ではかなり詳しい情報を調べることができるようになっているのですが、代表者や役員などの略歴や住所といった個人情報は調べることができないようになっています。

写真、コピーは禁止されている!?

閲覧できる情報はコピーしたり写真を撮ることはできません。「じゃあ全部記憶いないといけないの?」と思った方はご安心ください。

メモをとることは認められていますので、メモ用紙などを準備しておくことをおすすめします。

どこで閲覧することができる?

とくに法令によって閲覧場所が定められているわけではありませんが、基本的には宅建業の各種手続きを行う窓口に閲覧スペースが設けられていることがほとんどです。

つまり愛知県では、知事免許業者については愛知県自治センターの窓口、大臣免許業者については中部地方整備局の窓口に閲覧スペースがあるため、閲覧したい場合は閲覧場所まで出向く必要があります。

愛知県内の閲覧場所

免許区分 場所 閲覧日 閲覧時間 閲覧できる業者
知事免許 名古屋市中区三の丸3-1-2
愛知県自治センター3階
平日
(祝日を除く)
9:30~12:00
13:00~16:30
愛知県知事免許業者
大臣免許 名古屋市中区三の丸2-5-1
名古屋合同庁舎第2号館 7階
平日
(祝日を除く)
9:30~12:00
13:00~16:30
愛知県、岐阜県、三重県、静岡県の大臣免許業者

窓口の担当者に閲覧したい旨伝えれば案内してくれます。

調べられる宅建業者は管轄内の業者のみ!

ただし、大臣免許業者は管轄内に主たる事務所を設置している業者しか調べることができませんので注意が必要です。

例えば、中部地方整備局で調べられるのは、管轄となる愛知県、岐阜県、三重県、静岡県に主たる事務所を設置している大臣免許業者のみとなります。東京の大臣免許業者を調べる場合は、関東地方整備局の閲覧場所に行かなくてはなりません。

お金はかかる?

閲覧は無料でできます。ただし、一度に請求できる業者の数が限られていることがありますので注意が必要です。

宅建業者名簿から削除されるケース

閲覧制度を利用して誰でも無料で宅建業者の情報に触れることができるのですが、この名簿は次の事項に該当する場合に削除されることになります。

削除されるケース
  • 免許の有効期間が満了したとき。
  • 免許換えによって免許の効力を失ったとき。
  • 破産手続開始の決定等の届出により免許の効力を失ったとき。
  • 宅建業者の死亡(個人事業)の届出があったとき又は届出がない事実が判明したとき。
  • 合併による消滅の届出があったとき又は届出がない事実が判明したとき。
  • 免許が取り消されたとき。
  • 登録投資法人について登録が取り消されたとき。
  • 取引一任代理等の認可を受けた宅建業者について、認可が取り消されもしくは効力を失ったとき。

まとめ

いかがでしょうか?

宅建業者の詳しい情報を調べないといけないケースはそんなに多くはないと思いますので、ひょっとしたらあなたは閲覧制度を利用したことがないかもしれません。

実はそんな閲覧制度が大活躍する場合があります。それは、更新申請時に前回の更新書類の控えを紛失してしまっている場合です。

というのは、更新書類は毎回同じになりますので、変更がない部分についてはそのまま丸写しすればよいからです。

行政書士の実務においては、はじめて更新申請を請け負ったときに前回の更新書類がないような場合、過去の更新書類や変更届を閲覧して情報収集することがあります。

ただし、前述のとおり個人情報は調べることができないため、特に略歴書の内容は作成し直しとなることに注意が必要です

参考にしてみてください。