前回このサイトでは、宅建業の広告のタイミングに関する規制である「広告の開始時期の制限」について解説をしました。
宅建業の広告に関するルールはこれだけではありません。宅建業法には、宅建業界が独自に定める広告ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」というものも存在しています。
この「不動産の表示に関する公正競争規約」は、小さい法律くらいのボリュームがありますので、ここでは詳しい内容の解説は省きますが、広告を出す場合は一度目を通していただいた方が良いかと思います。
不動産の表示に関する公正競争規約の概要
宅建業者は全国9ブロックで不動産公正取引協議会を設立しています。その連合体である不動産公正取引協議会連合会は、不当景品類及び不当表示防止法12条に基づき、公正取引委員会の認可を受けて、「不動産の表示に関する公正競争規」を定め、不動産の広告表示に関する詳細な規制を自主的ルールとして定めています。
不動産公正取引協議会
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づいて公正取引委員会より認定を受けた表示規約の運用機関のことで、表示規約の適正な運用を通じて、不動産業における不当な顧客誘引の防止、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争の確保のために、次の9つの事業を行っています。
- 一般消費者及び事業者に対する公正競争規約の普及啓発に関すること。
- 一般消費者及び事業者からの公正競争規約に関する相談並びに公正競争規約の適用を受ける事業者の指導に関すること。
- 公正競争規約の規定に違反する疑いのある事実の調査及び公正競争規約を運用するために必要な資料を収集するための実態調査に関すること。
- 公正競争規約の規定に違反する事業者に対する措置に関すること。
- 不当景品類及び不当表示防止法並びに公正取引に関する法令の普及及び違反の防止に関すること。
- 関係官公庁及び関係団体との連絡に関すること。
- 不動産の取引の公正化に関する研究に関すること。
- 一般消費者からの苦情の処理に関すること。
- その他本協議会の目的を達成するために必要なこと。
不動産公正取引協議会連合会
不動産公正取引協議会連合会は、平成14年11月1日、徳島市で開催された設立総会において、不動産の公正競争規約の統一的かつ効率的な運用を図るため、表示及び景品類に関する公正競争規約をそれぞれ一本化し、消費者の適正な商品選択を妨げる不当な表示や過大な景品類の提供に対して厳正・迅速に対処するとともに、消費者取引の適正化と消費者に対する適正な情報の提供を一層推進することを目的として設立された、全国9地区の不動産公正取引協議会(北海道・東北地区・首都圏・北陸・東海・近畿地区・中国地区・四国地区・九州)を会員とする任意団体のことです。
公正競争規約に違反するとどうなる?
公正競争規約に違反した宅建業者は、所属協議会から排除措置をとるべきことの警告、違約金の課徴、資格停止、除名処分等を受ける可能性があります。